■ パスタ・カーボローディング講座 第12回 - 管理栄養士・関根豊子先生 -


ランナーにとって大切な栄養素として、炭水化物、鉄とお話をしてきましたが、もう1つ上げるならばカルシウムでしょう。ご存知の通り、カルシウムは骨の材料となる栄養素です。

骨は 20 歳前後をピークに、年齢とともに少しずつ減っていきます。一度作られた骨は変化しないように思われがちです。でも本当は、新陳代謝を繰り返し、毎日作り変えられているのです。一般的に「運動は骨を丈夫にする」といわれていますが、それは運動の刺激により、骨を作る働きが活発になるからです。しかし、日常的に運動をしているはずのランナーの中には疲労骨折を起こしてしまう人が少なくありません。やはり「運動で骨を丈夫にする」ためには、骨の材料となるカルシウムが十分に摂取できていることが前提にあるのです。健康の維持・増進のための運動なら日本人の食事摂取基準(下表参照)の目標量(できれば目安量に近づける)を摂るようにしたいものです。 トレーニング量が多い競技者の場合は、身体からの要求量が高まっているので、日本人の食事摂取基準の 1.5 倍くらいを目安にしましょう。

さらに、女性は閉経を迎える頃から骨密度が急激に低下することが知られています。これは、骨の代謝に深く関わっている女性ホルモンの分泌が減ってしまうからです。ですから、それ以前の年代でも、激しいトレーニングや厳しい体重管理が原因で、女性ホルモンのバランスが崩れ、月経異常をきたしている場合は、閉経期と同じように骨密度の低下が起こると考えられます。無理な食事制限や、急激な減量はケガのもとです。絶対にやめましょう。

では、十分なカルシウム摂取のためには、どのようなものを食べれば良いのでしょうか?
まずは牛乳・乳製品。調理の必要がない手軽な食材です。 1 日 3 回を目安に摂るとよいでしょう。脂肪分が気になる場合は低脂肪・無脂肪のものがお勧めです。次は、骨まで食べられる小魚類。圧力鍋などで骨まで柔らかく煮た魚もよいでしょう。さらに大豆製品。そして緑の野菜類です。特に、小松菜や青梗菜などアブラナ科の野菜には多く含まれます。大根やかぶの葉にもカルシウムは豊富なので、捨てずに利用したいものです。最後に、切り干し大根や凍み豆腐などの乾物類
おふくろの味的な食材にもカルシウムが期待できます。

ですが、残念なことにカルシウムは身体への吸収率があまり高くありません。そこで、合わせて摂りたいのがビタミンDです。カルシウムの吸収を高めてくれるビタミンDはサンマや鮭などの魚類、干ししいたけなどに多く含まれます。

逆に、インスタント食品やスナック菓子などに保存料として含まれているリンは、カルシウムの吸収を阻害しています。これらは手軽でおいしく、つい手が伸びがちですが、なるべく控えるようにしたいものです。

表 カルシウムの食事摂取基準(mg/日)

表 カルシウムの食事摂取基準(mg/日)

(日本人の食事摂取基準2005より)