第12回全日本学生選手権クリテリウム大会が5月2日、滋賀県の立命館大学びわこ・くさつキャンパス内特設コース(2.1km)で行われ、男子決勝(42km・ポイントレース形式)はスーパールーキー元砂勇雪選手(1年)が初優勝、鹿屋体育大学として4連覇を達成した。
第12回全日本学生クリテリウム選手権に参加した
鹿屋体育大学メンバー。左端が黒川剛監督
この日は過去3連覇している伊藤雅和選手(07年優勝/4年)、内間康平選手(08年優勝/4年)、吉田隼人選手(09年優勝/3年)のエース格3名がツール・ド・コリアへ日本ナショナルチームで参戦中のため、 男子は元砂選手の他、野中竜馬選手(3年)、高宮正嗣選手(2年)、野口正則選手(2年)、黒枝士揮選手(1年)、山本元喜選手(1年)の若い6名での出場となった。
エース格3名が抜けたとは言え、高宮選手を除く5名は日本自転車競技連盟の今年の強化選手だ。少人数ではあるがどこからでも攻撃できるのが強みだ。
約130名から50名に絞りこまれる予選、昨年のインターハイ・ロードチャンピオン、Jrアジア選手権ポイントレース金メダリストの山本選手が1組目でまさかの予選落ち。 波乱の中で鹿屋の苦しい戦いは始まった。
決勝に残った鹿屋勢は5名。戦術は野口選手にポイントを集める作戦。 彼は2月の明治神宮外苑学生クリテリウムで優勝、3月に埼玉で開催された全日本実業団最高峰TRシリーズ第1戦川越クリテリウムでも2位になり今期絶好調である。
スタートして1周目、毎年恒例の風景だがフィニッシュ地点には当然のように鹿屋の5人の綺麗な列車が姿を見せた。
2周毎にポイントとなるが、1回目のポイントは佐々木龍選手(早稲田大学)が抜群の加速でトップ通過(5点)、前半の撹乱戦術を決め最終的に上位を複数名出したい鹿屋は黒枝選手が2位(3点)、野中選手が3位(2点)で通過しスムーズに滑り出したかに見えた。
しかしその直後この日一番のアクシデントが発生する。2回目のポイントで一緒に動き始めようとしたエース野口選手と高宮選手のチームメイト同士が高速コーナーで激しく接触、野口選手はリアディレーラー破損、高宮選手は落車であえなくリタイア。
この時点で鹿屋は3名での戦いを強いられると同時にエースの変更を余儀なくされた。
2回目ポイントは堀内俊介選手(中央大学)がトップ通過、黒枝選手が2位、元砂選手が3位で続いて、この時点で黒枝選手が暫定トップとなった。
3回目ポイントは佐々木選手がトップ通過でトータル10点を獲得。 暫定トップに返り咲き、黒枝選手が2位通過でトータル9点、鹿屋は既にこの時点で黒枝選手に点数を集めるために野中選手と元砂選手が懸命にアシストを開始していて、 「勝負は佐々木選手対黒枝選手の対決になるか」と思わせた次の瞬間、鹿屋を2度目の悲劇が襲う。今度は黒枝選手が落車に巻き込まれてしまったのだ。
一旦はレースに復帰した黒枝選手、いつもなら問題なくレース続行の指示だが、レース終了後この日のうちに成田空港へ移動しJrネーションズカップのためチェコへ向かわなければならない、苦渋の判断ではあったがここで黒川剛監督は黒枝選手にレースからの離脱を命じた。
中盤にさしかかったばかりなのに既に2名だけとなってしまった鹿屋に残された選択は一つだけ、Jr世界選手権ポイントレース銀メダリストとして平坦でのスピードには絶対的な自信を持つ元砂選手に点数を集める以外の道は無い。野中選手は徹底アシストに回った。
度重なる急なエース変更に戸惑いながらも元砂選手は4回目と5回目のポイントを2位で通過しトータル8点、トップの佐々木選手に2点差まで詰め寄る。
しかし佐々木選手は6回目、7回目をトップ通過、8回目も3位通過しトータル22点で暫定ながら断然トップ、一方の元砂選手も7回目2位、8回目トップ通過でトータル16点と食い下がるが、点差は縮まらない。
9回目のポイントは両者初めてポイントに絡めず佐々木選手22点、元砂選手16点のまま最終10回目のポイントに勝負は持ち込まれた。
最終ポイントは倍点のため仮に元砂選手がトップでフィニッシュしても佐々木選手が2位でフィニッシュすれば逃げ切れるので元砂選手だけをマークすれば良い。
抜群の切れの良さで得点を積み重ねたこの日の佐々木選手にしてみれば、その課題は決して難しいものでは無かった。
そしてフィニッシュ地点に向かう最終コーナーに大集団から飛び出す形で2名は現れた。
佐々木選手先行、追う元砂選手・・・、ラスト100m「佐々木選手で決まった」会場を埋めるすべての観客が佐々木選手の勝利を確信したその時、一人だけ諦めていない人物がいた。
元砂選手はラスト50mからの怒濤の追い上げ見せ、フィニッシュライン前5mで佐々木選手を追い抜きトップでフィニッシュし10点を獲得。 一方の佐々木選手は勝利を確信し両手を大きく挙げて歓喜のフィニッシュを迎えようとしていた。
そしてそのガッツポーズが佐々木選手を勝者から引きずり降ろすことになった。
佐々木選手の上げた左手は元砂選手の右肩に強打、佐々木選手はこの接触でバランスを崩しフィニッシュライン上で落車してしまう。
落車しながらも2位でフィニッシュした佐々木選手だったが、フィニッシュ地点での両手放し運転と斜めの走行が落車の原因となったとして集団最下位に降格されるペナルティで最終ポイントは0点となりトータル22点で終了。
10点を加えた元砂選手はトータル26点となり、この瞬間元砂選手の劇的な逆転初優勝。
見る側にすればエキサイティングなレースが展開されたが、鹿屋にとっては薄氷を踏む展開の厳しい勝負だった。
白熱のゴールシーン。元砂選手が逆転で優勝
レース後、元砂選手は「調子が良かった訳ではない。今日の佐々木さんは本当に強かったが最後まで諦めてはいけないと自分を奮い立たせてギリギリまで粘った。先輩達が作ってくれた伝統(連覇)を守れて本当に良かった」と語った。
なお、この元砂選手と佐々木選手は4月にUAE(アラブ首長国連邦)で開催されたアジア選手権のエリート・マディソンで日本チームとして銅メダルを獲得したペアでもある。 ライバルであり仲間でもあるこの2名が将来の日本を背負って行く可能性は高い。今後の活躍が楽しみな注目の選手達である。
男子表彰式では元砂選手が笑顔でバンザイ
女子は鹿屋勢が表彰台を独占
一方、女子決勝(14.7kmロードレース形式)は近藤美子選手(3年)が初優勝、2位上野みなみ選手(1年)、3位木村亜美選手(2年)と鹿屋体育大学勢が表彰台を独占。
2月の明治神宮外苑学生クリテリウム大会に続いて今期2勝目の近藤は「昨年の大会で鹿屋勢の7連覇を立命館大学に阻止されていたので、まずはタイトルを取り返してホッとしている。 来年以降も連覇が続くよう精進したい」と語った。
この日も鹿屋のブースで目を引いたのは「ウィグライ プロ」 鹿屋の選手はレース前、レース後に必ず「ウィグライ プロ」を摂っている。 実際に選手達からは「ウィグライ プロは美味しくて飲みやすい。」と大評判。 鹿屋の選手達は「ウィグライ プロ」と一緒に高いレベルで戦っている。
女子は鹿屋勢が表彰台を独占。中央が優勝した近藤選手。
2位は上野選手。3位は木村選手。
■ 鹿屋体育大学自転車競技部と一緒に戦うスポーツサプリメント「ウィグライ プロ」
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