■ キング・三浦恭資氏レポート。
  「恐れをなくして強靭な精神力で駆け抜けろ!」
  今年のインターハイ開催地・沖縄で情熱溢れる若獅子たちを熱血指導!

09年ツール・ド・おきなわ出場後、三浦恭資氏は熱心な依頼があり沖縄の高校生を指導した。
「選手にとって強い意志力を持った指導者が必要」と語る三浦氏はそれ以来、たびたび現地に訪れさまざまなアドバイスを送っている。
若手選手の育成に情熱を燃やす三浦氏の熱血レポートをお届けしよう。

地元おきなわのサイクリストと本気勝負
昨年の秋、ヤンバルの山間を1人で走っていると大勢のサイクル集団に出くわした。
聞くところによると、ツール・ド・おきなわに出場するために地元の自転車チームが集まって練習しているとのことだった。
そこで自分もこの練習の集団に混ぜてもらい、ゴールのある名護まで一緒に走らせてもらうことにした。
最初、一見してみたところ、そんなに走れるレベルではない人達には見えた。
集団の中に埋もれていくと、中に数人の強い選手が含まれていることに気がつく。
規則正しくおこなわれる先頭交替。 これが素人レベル?とても走りやすい。レースを走る気分に自分もどんどん変わっていった。
何十年も前、沖縄に来た頃は自転車で走る人を見かけたことは無かった。
でも今は違う。ツール・ド・おきなわが残した偉大な遺産は多くの自転車愛好家を生み出した。 優秀な選手が現れて活躍しているし、なぜか俺と接点がある。コバルトブルーの海とスカイブルーの空にかこまれながらそんな昔のことを考えていた。 風が通りすぎるのと同じスピードで走馬灯のように頭の中を駆け巡った。
ふと我に返ると練習会に身をおく自分がいた。
個人では出しえない強度と速度で走っている。 さわやかな潮風が煮えたぎる血潮を懸命に冷やそうとしている、大粒の汗をかき、筋肉は隆起し最大の努力を身体は要求し始めた。 まるでツール・ド・おきなわの最終局面を逃げているようだった。
こうして俺達は最後の源河の坂を本気勝負で駆け上った。
熱意ある依頼に高校生の指導を快諾
この時一緒に走ったチームキッズのメンバーの1人が那覇に帰って自分が沖縄で走っているということを高校の先生に伝えた。
高校の先生はすぐにコンタクトを取ってきた。
「練習をされるのであれば一度選手を見てもらえませんか?来年は沖縄インターハイが開催されます。時間がありません。子供達を目一杯走らせてあげたい」と沖縄訛りの言葉で語った。
夢を持つ人に頼まれて断る理由はない。
自分の知識は使わないと何の意味もないのだから。
高校生を指導するにあたり一緒に練習するといろいろなことがわかる。
だが、それなりの体力がなければ一緒に走ることは不可能だ。そして急遽練習を開始したのだ。
本格的に始めると落ちた体力が手に取るほどにわかる。
激しい運動を維持しなければ強くはなれないし、激しい筋肉の運動を即座に回復させないと強くはならない。
ツール・ド・おきなわのレース後、先生と約束した練習が始まった。選手がどのレベルにあるのかを確認して、練習のやり方も指導した。
正月を返上した若者達とともに沖縄で実戦練習
それから1ヶ月後、正月を返上した若き選手達と俺は沖縄にいた。
ここに高校生を呼んで走らせる。相手に不足はないはずだ。 普通の強化合宿ではないぞ、自分が今まで培った力を集約して戦う実戦練習だ。ここで本格的なレベル解析をするのだ。 俺に多くの情報を与えないと何も始まらない。その情報を得るためには俺自身が走れないと意味がないから俺も必死で食らいついていく。 上がり始めた速度は集団がバラバラになるまで上がり続ける。高校生だからと容赦はしない。速い集団から切れたら練習にはならないことなど選手ならわかる。 自分との戦いなんて甘いものではない。気をぬけば後方からアタックを掛けられる。肉体と精神に刺激がどんどん入れられる。 自分自身の不甲斐なさも見えてくる、こうして打ちのめされて選手は強くなるのだ。
選手には強い意志力で引っ張る指導者が必要
沖縄には優れた選手が数人いる、だがレースを走る環境は断然少ない。
でもそんなことどうでもいい。 レースがなければそれなりの考え方で練習をしていけばいいのだ。そして4月、俺は沖縄に向かった。
「時間が取れるから一緒に走りませんか?」美来工科高校の先生に電話を入れた。
インターハイのコースも見たいし、一緒に練習した選手がどんな状態なのかも見たかったからだ。 この短い時間を利用して選手に多くのアドバイスをした。
選手はただ激しい練習をするだけではダメなのだ。
強い意志力で引っ張る指導者の言葉が1番の栄養となる。 疲労と向き合い、考えられた練習をこなす。いくらデーターを取っても肉体は自分が思うように動いてはくれない、選手も指導者ももどかしさが常に付きまとう。
だが強くなるためには必ず通る茨の道。傷だらけになってもいいじゃないか。恐れをなくして、強靭な精神と肉体で力強く駆け抜けてみろ。 その先には勝利が待っている。
若手選手から信頼厚い三浦恭資氏

若手選手から信頼厚い三浦恭資氏

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